誕生!悪魔の子!ザ・ファイナル 

〜ぼ、僕はハムスターだったのかい?〜

前回までのあらすじ
次々と明らかになって行く鋼志出生の秘密。長いへその緒、ハムスターの泣き声、たてがみ、ツメ。さらには父親が龍神の子だという発言まで飛び出した!驚愕の赤ん坊ストーリー、いよいよ完結!!




「あんたのお父さんはね、龍神の子なんよ。」


りゅうじんの子・・・?

なんだそれは?もう訳が分からない。

「知らんの?」

知るわけないだろう。


私の母親は、そんなことも知らないのかと言うように溜め息をひとつ、

そして話しはじめた。


「龍神の子っていうんはね、からだに108つ ほくろがある人のことを言うんよ」

108つの ほくろ?

そう言えば親父の肩には ほくろが沢山あったような。

「まぁ正確な数は忘れたけど、ほくろがいっぱいある人のことを昔からそう言うわね」

そうなの?

「あの人はね、そういう人なんよ。」

そして、母は遠くを見つめて微笑んだ。

え?そういう人って?どういう人?

「まぁ、あんたには苦労させられたけど、ようここまで育ってくれたわ」

え?で?俺は龍神の・・・孫・・・なの?

「何言ってんの。あんたは普通。みんなと同じ ただの赤ん坊。」


そうなの?

「あたりまえでしょ。でもお腹の中でよう暴れてねぇ。おかげで、これ。」

そう言って母は、自分のふくらはぎを見せて笑った。


そこには1本の、ぼっこりと浮かび上がった動脈があった。


私を産んだ時に出来たのだそうだ。


その動脈に僕は、『母』という巨大なエネルギーを見た気がした。


「いろいろあったけど・・・」


母はデッキからテープを取り出しながら言った。


「あんたは ただの“家族の一員”じゃけ。」





そっか。




僕はただの人間だ。この人から産まれた人間だ。


なんだか心がすっきりした。


だからもう、 その時見えた事については聞かないことにした。


母がテープをしまう時に見えた、


カセットケースの裏に書いてある文字。


さっき気付かなかった、赤い手書きの文字。


「 通常時 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こうして私の誕生秘話は全て明らかになった。
いろいろあったが、結局私には特別な能力があるわけでも、障害があるわけでもない。
この先、数奇な運命に巻き込まれて行くこともない。
だらだら人生を生きれば、だらだら人生が過ぎて行くだけだ。
でも逆に言えば、生き方次第で、人生どうにでもなる。
人間は、空は飛べないかもしれないし時空も曲げられないかもしれない。
でも誰にもマネできない唯一無二の人生を、みんな一人一人送ってる。
誰でも、一人残らず、必ず世界に何かを残してる。
それだけでも、
産まれてきてよかったね。




【 完 】

この物語はほぼ全てノンフィクションです。


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